昨晩は、イサム・ノグチに会った夢を見た。
僕が、ノグチのアトリエを訪ねたのだった。
そのアトリエは、二度訪れたことのある牟礼のアトリエではなく、どこか、古くて新しい感じのする町並みの中にあった。
イサム・ノグチの周りには、たくさんの人が集まっていた。そこには、地元の若い人たちもいた。
何人かの人たちと、畳の敷いてある部屋へ通されると、そこには、ノグチが制作したという仏像が3体置かれてあった。仏像というには、少し変わった形をしていた。
ノグチはそこで談笑していた。
ふと、一つの仏像が静かに動き出した。
そして、僕に向かって、
「私を」
という仕草をしたのである。
その仏像は、僕が部屋に入った時から、何となく気になっていた一体だった。
僕はすぐにノグチに向かって、その仏像の購入を申し出た。
ノグチは、少し驚いたような顔をしたが、快く承諾してくれたのであった。
値段は、240万円であった。
夢の中にあっても、僕の懐具合は、つつましいものだったので、240万円は大金であった。
僕は、厚かましくも、100万円ではだめですか?とノグチに訊いたが、ノグチは嫌な顔一つせず、同情の念さえ浮かべながら、
「それは、ちょっと無理だね。何しろ僕の作品だからね。」
と言った。
僕は、納得してその価格で、仏像を購入することを決めた。
翌日、これを書きとったあと、僕はちょっとした歓喜に包まれていた。
(持病の治療のために入院していた時に、よく夢を見ました。これはそのうちの一つ。イサムノグチは世界的な彫刻家で、僕も若い時影響を受けた。)
ヴィーナスの誕生 2015年作 ブルーマーブル(青大理石)
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