ライオンは、子供を崖の上から、突き落とすという。そして這い上がってきたものだけが、一人前のライオンになっていく。
実際はそんなことはしないと思うけど、どうしてそんな話が生まれたのだろう。
こと、創造性ということに関して言えば、ライオンが子供を崖から落とすことは、人間の子供が、人間の世界に放り込まれるのと、同じことかもしれないと、ふと思った。
僕が、なぜこのような発想を抱くことにになったかと言えば、ここ数年、認知科学の知見を目にするようになってきたことが大きいと思う。
子供にとっての、谷底には何があるかと言えば、周りの大人の考えである。
普通、子供は、世間で正しいとされていることを吸収していくが、それが自分の感覚を信じる時に邪魔になる場合がある。
学生と話していて、そう思うこともあるし、自分を振り返ってみてもそれはしかり。
谷底では、大人の行為を目の当たりにすることもある。
知らず知らずのうちに傷つくこともある。
無自覚のうちに吸収したことは、その子の考えの基礎となる。それは生涯にわたる場合がほとんどだ。
三つ子の魂百までというくらいだし。
子供の創造性が大人になるまで保たれるのは、子供が聞かん坊の場合か、子供の考えを大幅に尊重してくれる環境で育てられる場合になるのだろうか?
学生には、自分の感覚に、敏感になってもらいたいと思っている。知らず知らずのうちに押し殺してしまっている自分自身の感覚に。
宝物はそこにあるのだから。
2021/6/5
興味の積み木 2000 島原第四小学校 御影石
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