心ここに在らずにあらずのすすめ



だれしも、毎日を生き生きと心地よく過ごしたいものだ。体が健康で心が元気であれば幸せでいられる。


先日、僕の友人の若い画家と電話で話をした。彼は素晴らしい画家だ。絵に対する集中力は大変なものがある。まだ20代半ばなのに、絵も随分売れた。


しかしアルバイトもしないと生きていけないのは、多くの日本の芸術家たちと同じである。


仕事から帰ってくると、ばったり布団に倒れこんで、眠ってしまう彼を家族がずいぶん心配しているらしい。当の本人はこんなもんだろうと思っているようだが、第三者の観察というものを軽く見てはならない。


彼とは長い付き合いだが、話を聞きながらこんな言葉が頭に浮かんだ。


「心ここにあらずの状態が、一番心と体に負担がかかるんだよ。」


そう彼に言った後で、自分でも確かにその通りだと思った。それは僕も十分経験してきたことだったけど、このように口にしたのは初めてだ。


対話というのは時々こういうことが起こるのが面白い。


ともあれ、彼もこの言葉に少しはっとしたようだった。


「アルバイトをするときも、その場に行ったら、その仕事にしっかり集中した方がいいよ。単純な仕事でも、きちんと並べることに快感を感じたり、時間通りにできるように工夫したりしてさ。」


「仕事に行って作品のことを考えていたりするのはやめた方がいいな。」


心と体が一致していないのは、自分の中でエネルギーが綱引きをしているようなもの。だからどっちも消耗してしまう。


ならば今いる場所で心を使って創造的にふるまう方がずっといい。


僕もある時期体を壊したりした。だから自分の体験から、今そう言う風に言えるけど、これからは自分でもそういう在り方をもっと意識してみようかな。


2022/1/2



源 1996年作

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